株式報酬SaaS Nstock

「“従業員ファースト”なFacilo独自のSO設計を支えるには、Nstockが最適解だと思った」

[課題]

  • SOを可視化できる仕組みがなかった
  • 入社1年後から月単位でべスティングとなる際の実務対応に備える必要があった

[会社データ]

社名

株式会社Facilo

設立

2021年10月18日

従業員数

42名(2024年11月現在)

SO発行回数

1回

不動産仲介業の煩雑な情報を一元化・可視化するコミュニケーションクラウド「Facilo」を提供する株式会社Facilo(以下、Facilo)。同社は信託ストックオプション(以下、SO)から税制適格SOへの切り替えにあわせてNstockを導入しました。

SO設計の特徴について「従業員のことを最優先に考えた」と代表取締役CEOである市川 紘さんは話します。Nstock導入のきっかけとともに、くわしくお話を伺いました。

「SOの可視化は自社にも大きなメリットがあるとわかっていた。だから早く実現したかった」

──信託SOから税制適格SOへの切り替えタイミングでNstockを導入されましたが、どのような経緯があったのでしょうか?

市川:私は以前、シリコンバレーにある不動産テックのスタートアップでCFOを務めていました。しかし、当時は紙ベースの契約書を使ってSOの発行などを行っていたためコーポレートの負荷が高く、なおかつ従業員にSOの具体的な価値が伝わりづらい状況にありました。シリコンバレーにはスタートアップの文化が根づいていてSOに関心を持つ人も多かったので「想定キャピタルゲインなどをリアルタイムに伝えられる手段があれば、企業・従業員ともにメリットが増えるはずなのに」と感じていたのです。

その後、同社はM&Aされました。買収元が非上場のスタートアップだったため、これまでのSOは買い取られ、新たに親会社のSOが発行・付与されることになりました。そこで初めて、SOの状況をリアルタイムに確認できる「Carta」というサービスに出会ったのです。これが非常に便利で「SOが可視化されると、こんなにも価値を実感できるようになるのか」と驚きました。

このように、株式報酬SaaSがある・ない状態のどちらも経験できたからこそ、FaciloではSOを可視化して従業員それぞれがいつでも確認できる状況を作りたいと考えていました。しかし、当初、信託SOを発行した際には適したシステムを見つけられませんでした。税制適格SOへ切り替えることになったとき、Nstockと出会い、すぐに導入を決めたのです。

また、このあとでくわしくお話しするのですが、FaciloのSOは「最初の1年のみ年単位、その後は月単位でべスティング」という設計内容になっています。一般的なべスティングは1年単位なので、Faciloは他社に比べてSO実務が多いのです。コーポレートの負担を減らす意味でも、Nstockのようなサービスは必要不可欠でした。

「契約書の配布や捺印、管理などに対応できるため、Nstock導入後すぐに担当者から『非常に助かった』という声も」

──実際にNstockを導入してみていかがですか?

市川:契約書の配布や捺印、管理などをすべてNstock上で行えるのがいいですよね。ちょうど今年10月にSOの付与を終えたところなのですが、経理・法務担当者からは「手作業で行うべき工程が簡単になり非常に助かった」「Nstockがなければ乗り切れなかった」という声が挙がっていました。

Nstockのサンプル画像

実際に使ってみて、プロダクトの完成度が高く、愛情を込めて作られている感じも伝わってきました。「もっとこういう機能があったらいいな」と思う部分もありますが、これからさらに良くなっていくだろうと期待しています。

──従業員のみなさまからの反響は?

市川:とても好評です。

Faciloでは週に一度、全社定例をオンラインで実施しています。10月のSOの付与日直後に全社定例内でガイダンスを行い、全従業員にマイページ上から「シリーズAから上場時までにどれくらい想定キャピタルゲインが変わるのか?」を確認してもらいました。金額がわかった瞬間、従業員から「おお!」と歓声が上がったのは印象的でしたね。

上記はNstockのサンプル画像であり、想定キャピタルゲインなどの数字は架空のものです

「“従業員を大切にしたい”という想いから、月単位のべスティング・退職時の持ち出しOKなどの条件を盛り込んだ」

──御社の「SO設計のこだわり」を教えてください。

市川:大前提として、Faciloは「従業員を大切にする会社でありたい」と考えています。SO設計に関しても、リスクを承知でスタートアップという荒波に飛び込みFaciloの成長に貢献してくれた従業員に報いるものにすることを目的にしています。そこでFaciloはシリコンバレーで一般的な「最初の1年のみ年単位、その後は月単位でべスティング可能」という設計にしました。

日本では「年単位」でのベスティングが一般的です。しかし、年に一度の変動のみでは従業員のSOに対する関心が薄れる可能性があります。なにより年単位のべスティングは、何らかの事情で退職が必要になった場合に、次の付与日まで無理をして在職し続ける状況や、付与日を待たずして退職してしまったことに悔いが残る状況を作ってしまう。それは、とても不幸なことですよね。

こうした状況を防ぐため、ベスティングを月単位とし、従業員が貢献してくれた期間に応じてタイムリーに反映できるようにしました。

それだけではなく「退職後は100%持ち出しOK(ただしべスティング済みのもの)」「M&Aの場合でもSOによるリターンを保証」という条件を加えました。さらに、在職中に相続が発生した場合の取り扱いについても考慮しています。万が一、不測の事態で従業員が亡くなった場合には、在職期間中にベスティングされた分がご家族に引き継がれるよう「在職中であれば相続できる」という方針を明確にしました。

──すべての議論の真ん中に従業員のみなさんがいるのですね。

市川:もちろん、Faciloとしては従業員の早期退職を望んでいるわけではありません。だからと言って従業員をSOで縛り付けるようなことはしたくないのです。SOで引き止めるのではなく、魅力的な職場を作り、Faciloが選ばれ続けることが本質です。そのうえで従業員が次のステージに進む際には、快く送り出す方がお互いにとってもいいと判断し、お話ししたような設計内容にしました。

──新たに入社される方々にも定期的にSOを付与する予定だと伺っています。

市川:そのとおりです。従業員間のコミュニケーションに隔たりが生まれることを避けるためにも、定期的にSOを付与していく予定です。「みんなで頑張って上場しよう!」といった会話をしたい場面で、SOを持っている人と持っていない人が混在すると一致団結しにくいですよね。全員がSOを持っていることで、同じ方向を向きやすくなるはずだと思っているのです。

「SOに限らず、Faciloは常に新しい働き方に挑戦し、学びを得ていく」

──いろいろ話をお伺いして、とてもユニークな制度設計だと感じました。

市川:FaciloではSOに限らず、常に新しい働き方に挑戦したいと考えています。プロダクトや事業が革新的であることはもちろんですが、企業と従業員の関係性も、私たちのようなスタートアップが率先して新しい形を模索するべきです。この考え方を社内では「働き方の実験場」と呼んでいるのですが、まずは挑戦してみて、そこから学びを得て調整していくスタンスを大事にしています。

──今後のNstockへの期待についても教えてください。

市川:SOをつい確認したくなる仕組みがあると嬉しいですね。

あるアメリカの不動産テック企業では、物件の価格がAIによって日々変動する仕組みを物件オーナー向けに提供しています。マイページへのログインが増加することで、サービスとの接点を増やしているわけです。SOの場合、株価が頻繁に変動するわけではないので、どんな方法が最適かを考える必要はありますが、Nstockにもこうした仕組みがあると、SOに対する社員の関心をさらに高めることができるのではないでしょうか。

──それは面白いかもしれませんね。素晴らしいヒントをいただくことができました。ありがとうございました!

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