「NstockによるSOの可視化で、土木技術者が技術トークと同じ熱量で企業価値を語りだすような組織を目指したい」

[課題]
- SOに馴染みが少ない業界出身者が多いこともあり、可視化するための手段を探していた
- SOの発行は初めてだったため、管理や運用も仕組み化されていなかった
[会社データ]
社名 | 株式会社Malme |
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設立 | 2021年2月22日 |
従業員数 | 38名(2024年12月現在) |
SO発行回数 | 1回 |
株式会社Malme(以下、Malme)は「日本のドボクをアップデートする」を合言葉に、土木業界向け建設DXサービスを提供しています。そのため、土木建設業界出身の従業員が半数を占めるという、ユニークな組織構成になっているのです。
MalmeがSOを初めて発行したのは、2024年12月でした。契約書締結やその後のSO管理などで株式報酬SaaS Nstock(以下、Nstock)を活用していますが、導入のきっかけは何だったのでしょうか?同社のSO設計のこだわりとともに、Malme代表である高取佑さんに伺いました。
「SO設計は一般的なルールに基づきつつ、従業員の不利益になりそうなものには必ず対応できる内容にした」
──最初に、MalmeのSO設計内容を教えてください。
高取:特別な工夫があるわけではないのですが、一般的なルールに基づきつつ、従業員にとって大きな不利益になりかねないものは必ず対応できることを前提に設計しました。
具体的には、べスティング条件の起算日は入社日、退職時の持ち出しは不可にしています。ただし、退職時の持ち出しについては、会社や株主への事前通知を条件に退職後も一定割合を保持できる文言を盛り込みました。基本的には「退職時の持ち出しは不可」であるものの、功労者に対して柔軟に対応できる仕組みも用意しているのです。M&A時も同様に、会社の判断でSOを行使できるようにしています。

もう1つ特徴を挙げるならば、起算日を「入社時点」としたのは、今後セカンダリーマーケットが賑わうことを見越したためでした。起算日を「入社日」にすれば、仮にセカンダリー取引ができるようになれば、創業初期を支えてくれたメンバーも損をしないと考えたのです。
──セカンダリーマーケット発展への期待が込められているということでしょうか?
高取:そうです。スタートアップでは成長フェーズに応じて求められる人材やスキルが変わります。それぞれが得意なフェーズで活躍し、次のステージへ移っていきます。その循環がスムーズになれば、日本全体のスタートアップエコシステムの健全な発展につながります。そのためには、株式売却を容易にするセカンダリーマーケットの発展が欠かせません。Nstockにはそのパイオニアとして市場発展をリードしてほしいですね。
「土木建設業界は株式報酬やSOへの関心が薄い。だからこそNstockでSOの価値を可視化することは欠かせなかった」
──Nstock導入の経緯についても伺いたいです。何が決め手だったのでしょうか?
高取:SOを可視化したい気持ちがとても強かったのです。その点、NstockはSOにくわしくない人でもわかりやすいUI/UXであることが決め手でした。
私がMalmeでSOを導入したいと思ったのは、従業員のみんなに企業の成長を“自分ごと化”してもらい、その成果を分け合いたいと考えたからです。スタートアップは給与などの条件面では大企業に劣る部分もありますが、企業価値の向上に伴って将来的なリターンが増えるというダイナミズムがあります。その魅力を従業員のみんなと共有し、「自分も企業成長の一翼を担っている」と感じられるようになれば、日々の行動にも良い影響を与えられると思っています。

しかし、現在Malmeは40名弱の組織規模で、その約半数が土木建設業界出身者です。私はベンチャー出身のためSOという報酬形態に馴染みがありますけれど、土木建設業界は株式報酬やSOへの関心が薄い人のほうが多いです。だからこそ、SOの可視化は重要なポイントでした。
Nstockのデモを見せてもらったとき、SOの将来的な価値をチェックできる点や、その金額を得るために必要な企業価値の水準をわかりやすく提示できる点はとても魅力的でした。「従業員にSOの価値を正しく伝えるために必要なツールだ」と確信しましたね。
──従業員のみなさんにとって不利益にならないSO設計にするだけでなく、実感を持って触れてもらうための仕組みづくりも重視されていたんですね。
高取:そこは重視しましたね。建設業というある種レガシーな領域にいる人材が、スタートアップという日本を変える最前線に飛び込めるような箱をつくりたい。それが創業時の思いでした。サービスはもちろんですが、Malme自体が「箱」になることも大事です。Malmeを拡大させ、普段はヘルメットを被って働いている従業員が企業価値を語り出す組織になれば、とても面白いことが起きるはずなのです。
「NstockのSO管理ページを用いた説明会で具体性が増し、従業員から実感のこもった声が挙がった」
──実際にNstockを利用してみた感想はいかがでしょうか?
高取:割当契約書を配布したばかりなので、従業員たちからの反応はまだわかりません。しかし、想像以上に手続きがスムーズでした。知識も経験もない不慣れな作業だったので、本当に助かりました。

社内での説明会では、Nstockが提供してくれた資料をもとに実施しました。SOの仕組みだけでなく、NstockのSO管理ページを用いた株式報酬の確認方法も説明したため具体性が増し、従業員からは「本当にこういう報酬があるんだ」という声が挙がっていました。結果として、SOの価値を伝えるための第一歩を良いかたちで踏み出せたと思っています。
今後は、Malmeの採用資料にもSOに関する項目を付け加える予定です。
──そのように活用いただいて、ありがたいです。そのほか、何か期待や要望はありますか?
高取:サービスには現段階でとても満足しています。その前提があるうえで強いて言えば、企業価値の向上に関心を持ったメンバーが、SOについてさらに深く学べるナレッジサイトや情報提供の場があると嬉しいですね。たとえば、上場企業が過去にどのような株式報酬を設計してきたかを分析する記事があると、とても参考になるのではないでしょうか。
──たしかに、SOに関するナレッジや他社事例の共有は、メンバーの意識向上や組織全体の成長にもつながりそうですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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