ストックオプションの価値を“第三者の目”を通じて伝えたかった──エシカル・スピリッツがNstockを導入したきっかけ

[課題]
- SOの理解を浸透させる手段がなかった
[会社データ]
社名 | エシカル・スピリッツ株式会社 |
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設立 | 2020年2月7日 |
従業員数 | 13名(2023年時点) |
酒粕やカカオの皮、コーヒーかす、飲み頃が過ぎてしまったビールなどの未活用素材を原料に“エシカルジン”を蒸留し価値化を目指す、エシカル・スピリッツ株式会社(以下、エシカル・スピリッツ)。同社の特徴について、代表取締役CEOである小野力さんは「いろいろなメンバーが関わりながら作り上げてきた会社」と話します。彼らにしっかり報いるため、エシカル・スピリッツでは創業初期段階からストックオプション(以下、SO)を付与しています。
そんなエシカル・スピリッツが株式報酬SaaS Nstock(以下、Nstock)を導入したのは、2024年12月のことでした。すでにSOを複数回発行している同社がNstockを通じて解決したい課題は何だったのか?さっそく、小野 力さんにお話を伺いました。
「いろいろなメンバーが作り上げてきた会社」だからこそ、それぞれのフェーズにてストックオプションを付与
──まず、エシカル・スピリッツさんのSO設計に対する考え方を教えてください。
小野:エシカル・スピリッツは、いろいろなメンバーがさまざまな関わり方をしながら作り上げてきた会社です。創業初期は、全員が副業的な立ち位置からスタートしました。その後、正社員は増えていきましたが、創業初期からサポートしてくれているメンバーなどが業務委託として関わり続けてくれています。

エシカル・スピリッツにとってSOは、コミットメントに対する還元の手段として重要な役割があると考えています。いろいろなメンバーが関わりながら会社を作り上げてきた歴史があるからこそ、会社への貢献度に応じて公平に還元できるようにしていました。そのため、退職後も業務委託契約が続いている限りはSOを継続して保有できる設計にしました。
──SO設計で悩んだポイントなどはあったのでしょうか?
小野:創業初期は業務委託のメンバーが多かったのですが、年月とともに従業員の数が増えていきました。そのなかで、どういったバランスでSOを付与していくべきかは悩みましたね。何をもってフェアとするかで迷った時期もあり、一時期はSOをあまり発行していなかったこともありました。現在は従業員のほうが多いこともあり、報酬の1つとして付与する方式に落ち着きました。
自社ではなく“外部サービス”を挟むことで、ストックオプションの価値を冷静に受け止めてもらえる
──Nstockを導入する前は、SO実務に課題を感じていたところはありましたか?
小野:私がSO実務を担当しているのですが、事務コストに関しては組織規模的にもそれほど課題はありませんでした。しいて言うならば、契約書だけではSOを付与した経緯が判断しづらかったことでしょうか。
それよりも大きな課題だったのが「SOの価値をどう伝えるか」でしたね。エシカル・スピリッツは製造業と飲食業を手掛けていることもあり、スタートアップとは別のカルチャー出身者が多いのです。SOやバリュエーションの考え方に慣れていない人も多く、実感を持てず、「とりあえず、もらっておくといいんですね」となってしまいがちでした。
この状況を打破するために、一時期はニュースレター形式で定期的に想定キャピタルゲインなどを伝えるという施策も検討したことがありました。しかし、会社側から説明すると「代表だからそう言うよね」など、余計な先入観を持たれてしまいかねないと思いました。

そんななか、お世話になっているVCが主催するイベントを通じてNstockを知りました。「これならSOの価値をうまく伝えられるのではないか」と思い、サービスの導入を決めたのです。
──「これならSOの価値をうまく伝えられる」と感じたポイントは?
小野:わかりやすいUI/UX画面はとても良かったですね。Nstockのような外部サービスを一枚挟むことで、従業員や業務委託のパートナーたちが冷静に受け止めてくれる機会にできると思いました。

Nstockのストックオプション説明会後、「理解が深まった」という声のほかにも…
──エシカル・スピリッツさんは「SO説明会をNstockと一緒に開催できないか」という相談もされていました。当日は弊社のCS担当が、エシカル・スピリッツのみなさまにオンライン上でSO説明会を実施したのですが、いかがでしたか?
小野:非常に良かったです。「そもそもSOとは何か」「どのように機能するものなのか」といった基本的なことはもちろん、エシカル・スピリッツとしてなぜSOをみんなに出しているのかという話もできました。SO説明会後は「理解が深まった」という声があったほか、「上場しなければSOの価値は実現しないのか」「会社の上場計画はどうなっているのか」など一歩踏み込んだ質問が飛び交っていました。SOへの理解が深まった証拠ですよね。なかには「SOの有無に関わらず、やる気は変わりません」と言ってくれるモチベーションの高い人もいました。とてもうれしいことです。
──今後、どのようにSOを活用していきたいですか?
小野:引き続き、エシカル・スピリッツに関わってくれる人たちへの還元の手段として活用していきたいです。モチベーション維持という観点もありますが、それ以上に、エシカル・スピリッツをつくり上げてきた人たちと成果を分かち合いつつ、これからも一緒に挑戦し続けるためのツールへと進化させたいと思っています。
還元という意味では、Nstockがスタートさせようとしているセカンダリー事業も気になっています。今後もこうした情報を継続的に共有していただけるとありがたいです。
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